281の詩

足の裏から血を流し、
ゾロゾロと茨の道を歩く者たち。
その表情は硬直し、
皆同様の仮面を被っているかのようだ。
やがて、一人また一人、
ドサッドサッと崩れゆく。
身体は一瞬で灰となり、
跡形なく風に運ばれていく。
ぎこちなくこわばった、
笑みだけ残して。
2004.7.30

282の詩

いつもの景色が少し違って見えたとき、
心は穏やかに澄みきった大きな湖みたいだ。
「君にもあるだろ?」
どこか感傷的なんだけど、懐かしく温かいこの感じ。
通りを行く人や車に手をかざしても、
水面に反射する雲のようにユラリと滲んで、
指の隙間を擦り抜けてしまいそうだ。
「人は知っているのかもしれない」
視覚器で実体を映すことはできないことを。
物質に境界なんてないのかもしれないね、
全体が溶け合うこの感じ。
幸福に触れているのかもしれない、
愛に包まれているのかも知れない。
2004.7.31

283の詩

「僕らは、この星に生まれ、この星を経験する」
五感はそのために与えられた恵み、
そして、共鳴するは天の声。
時計なんて社会的ツールは部屋に置いて、
誰もいない海辺で寝転んでみよう。
そこは、空の淡い青と海の深い青に緑が映える場所。
やがて、風の存在に気づくだろう、
雲を運び、潮の香りを運ぶ。
やがて、聞こえてくるだろう、
カモメの鳴き声をカモメの鳴き声として、
波の音を波の音として。
そして、大地の鼓動、太陽の温もりを知る、
自らの呼吸に意識を向けよう。
実感するは生命。
「生命体溢れるこの星は、生命の息吹でいっぱいだ」
留まっているものなんてない、
皆、飛び跳ねている、輝いている、咲き誇っている。
美しき星地球、力強き生命体。
「僕らはこの星に生まれ、この星を経験する」
五感はそのために与えられた恵み、
そして、共鳴するは天の声。
2004.7.31

284の詩

最後になった日から、
区切りだと思っていた1年が過ぎました。
「香りも、化粧も、仕草も、話し方も、僕の知る君ではないだろうな」
素敵な人がいてくれて、
その人のためにがんばれるって素敵なこと、素晴らしいこと。
がんばれる自分って誇らしいこと。
いつもありがとうと思えていたなら、
他に何もいらなかった。
2004.8.8

285の詩

ここはたまねぎの世界、
きっそそうに違いない。
コロコロコロコロ転がっているだけの世界。
2004.8.12

286の詩

思いっきり君の名を叫びたい、
だっていつも不安にばかりさせてきたから。
ちゃんと想っているよと届くといいな、
今さら届いたって迷惑なだけだから、
時空を超えて届くといいな。
届くと思うよ。
後悔ばっかの僕だけど、君を恨む気持ちはなくて、
ありがとうっていう気持ちでいっぱいなんだから。
君は皆に愛され見守られて生きていく、
僕もずっと、その中の一人でいたい。
2004.8.13

287の詩

一体何を考えているの?
わからないよ、何もする気がおきないんだ、
昨日のことも今日のこともなんだか虚しく響いてさ。
君にはやりたいことがたくさんあったはずだろ?
だから自分でもよくわからないんだ、
いつもいつもこんな気分になって立ち止まってしまう。
社会的な不安や恐怖に尻を叩かれて、
必死になっている方が楽なのかも知れないね。
そこに愛する人がいてくれたらさ、
それはそれでとっても素敵なことなのかもしれないね。
2004.8.16

288の詩

あー、この体の芯奥深く貫くような痛み、
まるで痛みそのものになってしまったみたいだ。
視界に入ってくるものに実体を感じない、
痛みを感じる肉体など存在しない。
あるものは痛みそのもの、その痛みこそ自身。
2004.8.16

289の詩

そう、僕は行く。
それは擦れて、
風に運ばれた砂に今にも掻き消されそうな道だけど。
ときに歩みは交差し、
肩を抱き合い冗談交じりに永遠を誓った。
でも今となっては、
君の後姿どころか足跡さえも見ることができないんだ。
二人の記憶さえ滲んでいく模様に、
僕は慌てて着色した。
痛みに震えながら、、、
そう、こんな繰り返しであっても僕は行く。
それは机の上のただの引っ掻き傷のようだけど、
確かに僕が刻んだ、
細く長い、ただ一つの道のりを。
2004.8.27

290の詩

気分の優れているとき。
お気に入りの音楽を聴いていとき、
良書を手にしているとき、
自然に触れながら、のんびり散歩しているとき、
そんなとき、僕の何かが、何かに触れている。
2005.10.4

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